私が劇症1型糖尿病を発症してから今年で11年目。最近やっと糖尿病と向き合えている感じがしているので、かいてみます。あくまでも、私の経験談です。
発症は突然
私が発症した時、27歳で仕事掛け持ちしながら好きなことをして毎日楽しかったあの頃。夏風邪がなかなか治らず、1週間くらい仕事休んでしまい、喉が痛くて食事も水分も取るのことが難しい状態でした。
吐き気や胃痛、発熱、頻尿、倦怠感でこれはまずいと思い私は、仕事の寮から歩いて10分くらいの駅前の商業施設に入ったクリニックに向かいました。歩いて10分は健康な時の時間で、あの時は何分かかったか覚えていないけど歩くことが辛くて何歩か歩くたびに休まないといけない状況でした。(後になんで救急車呼ばなかったんだろうと思いましたが)
緊急搬送→入院
クリニックに行ったら前回来た時より痩せこけ座ることもできない私にドクターが「うちでは手に負えないから大きい病院へ行きましょう、今救急車呼んでるからね」と言われ、駅前の小さな商業施設に救急隊員が来てくれ、貨物用エレベーターで救急車に運ばれ、徒歩でも車でも1分の駅前の総合病院に搬送されました。
意識がもうろうとする中、車椅子に乗り最初は内科に通されたのに喉が痛いと伝えたら耳鼻科へ移動、しばらく廊下に放置され原因や診断は下されることなく、緊急入院することに。
何時間経ったのか何日か経ったのか、気付いたらずっと点滴して食事も点滴だけでした。喉が渇いたと看護師さんに伝えたものの血糖が高いから今は無理と言われました。担当医師が現れ血糖値が測定できる範囲以上だから当分は水分と食事は点滴で補い、またケトアシドーシスで危険な状態だったこと、私に理解できたのはそれくらいだった。
ケトアシドーシス
ブドウ糖は体の主な燃料源です。インスリンは、膵臓(すいぞう)でつくられるホルモンで、血液中から細胞へのブドウ糖の移動を助けます。ブドウ糖が細胞内に取り込まれると、エネルギーに変換されるか、必要になるまで脂肪またはグリコーゲンとして蓄えられます。
十分なインスリンがないと、ほとんどの細胞が血液中にあるブドウ糖を使うことができません。それでも細胞は生きるためにエネルギーが必要なので、エネルギーを得るために予備のメカニズムに切り替えます。すると、脂肪細胞が分解され始め、ケトン体という物質が生産されます。ケトン体は細胞にエネルギーを供給しますが、同時に血液を酸性にしすぎてしまいます(ケトアシドーシス)。
引用元:糖尿病性ケトアシドーシス – 12. ホルモンと代謝の病気 – MSDマニュアル家庭版
糖尿病と診断された
親がお見舞いに来てくれた時に医師から劇症1型糖尿病と伝えられました。一生治らないことと、食事の管理とインスリン治療を始めることを告げられ、目の前が真っ暗になりました。今まで食べてきた美味しいご飯やスイーツを食べたことが走馬灯のように思い出され病室で涙していました。同室のおばさんがこっそり夜中などに煎餅をボリボリ食べている音がすると、何とも言えない気持ちをどこにぶつければいいかわからなく虚しかったです。
数週間入院して、退院準備に入り栄養士さんと何度か栄養相談を行うとき、体重から計算し1日の摂取カロリーはこのくらいで、ご飯の量などもきちんと測るように言われました。また、インスリンを自己注射する練習もしました。退院後は一時的に実家に帰って、様子を見ることになりました。何週間も歩いていなかった私の足は、実家のマンションの階段も登れない程筋肉がなくなっていました。
退職と転院
休職していた職場にこれ以上は迷惑かけられないと思い退職を決意し、兄の家に空き部屋があったためそこに引越させてもらいました。当時決められたカロリー以下で食事し、インスリンの単位は決められた単位数しか指定されていなかったのですぐに高血糖になる→食べすぎてしまったと思い食べた物を吐いていました。食事をしないと低血糖にな退職してお金がないし、仕事をしたいけど頻尿で仕事をする自信もなく金銭的にも精神的にも下り坂でした。
兄の家から最初に入院した病院は遠く、もっと近くに大きめの総合病院がありました。そこで今までの経緯を全て話すと、糖尿病の教育入院というものがあるので一旦上がっていた血糖を下げながら勉強し直すことになりました。
転院・教育入院してわかったこと
- 1型糖尿病は好きなものを食べて良い
最初の病院では甘い物厳禁でカロリー制限するように言われていた。1型糖尿病は食べ過ぎは良くないが食べてはいけないものはない - 計算するのは炭水化物(糖質)量→カーボカウントをしてインスリン量を決める
- 私がだらしないからなったわけではない
最初の病院では担当医から、だらしない生活してたんでしょうと怒られた
本当に病院変えてよかったです。以前の病院では2型糖尿病と混同されていたのか?と思うほど、甘いものは食べてはいけない、〇〇キロカロリー以下にするように言われ私も親もカロリー制限の食事の練習していたのに。新しい病院では色々疑問に答えてもらって精神的に助けてもらえました。
糖尿病はお金がかかる
インスリン注射と血液検査、血糖測定の指導料などで月に2万程かかっていたけど、数年前に持続血糖測定器(皮下に挿入したセンサーで5分ー10分間隔でグルコース濃度を測定する機器)を導入するようになり血糖測定は楽になりましたがさらにお金がかかりました。
現在大学病院でSAP療法をしているので薬代込みで毎月3万円以上かかりますが効果は想像以上でした。以前はSAP療法が未対応のインスリンポンプを使用してHbA1cが8%台から良くて6.8%でしたが、SAP治療して初めて5.8%まで下げることができました。毎月の病院代はイタイですが、今後妊娠を望んでいるので血糖値を安定させたいため夫に協力してもらい感謝しかないです。
糖尿病と上手く付き合う
朝起きた時に血糖値が高かったり、夜中に高血糖や低血糖でインスリンポンプがお知らせしてくると、ウンザリしてしまいます。数値だけでなく症状も出るので一日中調子が悪い日も。糖尿病に振り回される日もありますがなんで高かったのか分析できるようにもなりました。
今ではポンプをぶら下げて堂々としていられますが、以前はインスリン注射を打つことも血糖を測定することも恥ずかしいことだと思い、隠れてやるもしくは家に帰るまで我慢することもあり友達付き合いも減りました。
前の職場に1型糖尿病の方がいたのですが、彼女は以前勤めていた会社で糖尿病についていろいと嫌な思い出があるため旦那さんや仲の良い友人以外には絶対に言わない方針だったのですが、私の持続血糖測定器のアラームで私が糖尿病だと知って、話しかけてくれて情報交換などしてくれました。
糖尿病に限りませんが、もっと糖尿病について病気を持っていない人も理解する必要があるし、糖尿病の人が生きやすく最先端の医療も受けやす国になれば良いなと願っています。
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